こんちは!
たっつんです。
「バイトテロ」とかいうのが再燃しています。
マスコミも大々的に取り上げ、大騒ぎですね。
「やった奴が悪い」「企業も悪い」
色々といわれています。
テレビや新聞、SNS、ネットでこういうことを騒ぐと余計に問題が大きくなります。
それはなぜか?
を人間の心理で私なりに説明したいと思います。
またそんなニュースを目にして私が思うことも最後のほうに書いています。
目次
3つの心理状態
「承認欲求」、「社会的証明」、「ウェルテル効果」
この3つをあなたはご存知でしょうか?
このあたりの心理を紐解いていくとバイトテロが蔓延する原因がわかってくると思います。
一つずつ簡単に説明します。
社会的証明
社会的証明とは、簡単に説明すると、
「ある行動をする人が多いほど、それが正しい行動だと判断する。」ことです。
バイトテロが正しいことだとは思いませんが、バイトテロに当てはめて考えると、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」状態に近いかと思います。
現代は「シェアする」ことが非常に簡単です。
動画投稿、テレビ、新聞、SNSなど。
それを一日に何回も見聞きしているうちに人は「みんなやっている」と考えがちです。
例えばあなたがバイト先に不満があったとします。
バイト先に目にもの見せてやりたいと思っていたとして、だれもやっていない場合と、他の誰かがすでにやっている場合、どちらがやりやすいでしょうか?
もちろん後者だと思います。
行列の出来ていないラーメン屋と行列で一時間待ちのラーメン屋、どちらに行ってみようと思いますか?
人間、特に日本人は「みんなと同じ」が好きなので、社会的証明が強く作用します。
道徳的に間違っていたとしても、「みんながやっている」と認識しているため、社会的証明に逆らうことが難しいです。
ましてや「同年代」の人が同じことをやっていればなおさら強力に作用します。
不満を爆発させたいと思い立った時に、前例があるのは背中を押してくれるんですよ。
だから、過剰に報道するとさらなるバイトテロが増えていくわけですね。
ウェルテル効果
次に「ウェルテル効果」です。
これは社会学者のデイヴィッド・フィリップスが発見した現象です。
これはゲーテ著の『若きウェルテルの悩み』という小説の題名に由来します。
主人公ウェルテルが最終的に自殺するのですが、この小説の影響でヨーロッパ中でウェルテルを真似た自殺が相次いだとされています。
影響がすごかったため、発禁処分になったほど。
以下、wikipediaより引用です。
Phillipsの調査は、
- 自殺率は報道の後に上がり、その前には上がっていない。
- 自殺が大きく報道されればされるほど自殺率が上がる。
- 自殺の記事が手に入りやすい地域ほど自殺率が上がる。
等であり、これらは報道が自殺率へ影響を与えることの証明とされた。
この文章の自殺と自殺率のところをバイトテロに置き換えてみてください。
しっくりきませんか?
3番目の文章、ちょっと変えてみます。
バイトテロのニュースや動画が手に入りやすい地域ほどバイトテロ率が上がる
このニュースや動画が手に入りやすい地域というのは現代では都市、地方関係ありません。
なぜなら「インターネット」があるからです。
いくらでも情報は手に入るわけです。
しかもウェルテル効果は多感な若者(10代~20代)ほど影響を受けやすい。
今放送されているバイトテロにおっさんいますか?
まあ、若さゆえの、みたいなところもあるかと思います。
が、総じて人は同じような問題や考え方を持っている人がどのような行動を取っているかによって自分の行動判断の基準としています。
この「ウェルテル効果に引っ張られている」こともバイトテロが蔓延している原因の一つではないでしょうか?
承認欲求
承認欲求に関しては聞いたことのある人が多いのではないでしょうか?
要するに「他人から認められたい」とする欲求です。
承認欲求は誰しもが持っています。
もちろん私も。
だれかに褒められたり「あいつはすごい」といわれると嬉しいものです。
しかしこの承認欲求は、「人に認められたい」と思う欲求であって、別に褒められなくてもいいんです。
つまり、「何らかの形で注目してもらいたい」というパターンもあるわけです。
たとえそれが道徳的にアウトでも、です。
前述したとおり、現代は簡単に主張することができます。
つぶやいてもよし、動画にしてもよし、ニュースになってもよし、です。
大事になって人目に触れれば触れるほど承認欲求は満たされるわけです。
ただし、あとで後悔することになるかもしれませんが。
「バズる」・「炎上する」恐さ
心理学関係ないですが、バイトテロでの企業の被害は尋常ではないことも知っておくべきでしょう。
そのせいで真面目に働いている人たちが被害を受けることもあるわけですよね。
ちなみに、すたみな太郎は完全に被害者だったりします。
叩けば埃は出るかもしれませんが。
すたみな太郎、デマ「客テロ」に大迷惑 「当店で撮影されたものではない」
こういうのはまずいと思います。
「バズる」とか「炎上」することの怖さ、わかっていますか?
炎上商法みたいなものもあるので有効に活用できる人がいるのも事実ですが、その力はあまりにも強大なので、一歩間違うとかなりまずいことになるという認識をもって、なんかあったら責任を持つくらいの気持ちは持っておきたいですね。
まとめ
はい、いかがでしたでしょうか?
社会心理の記事を書こうと思った時に、ちょうどバイトテロが話題だったので例にとって説明させていただきました。
バイトテロに関しての個人的な意見としては、「どっちもどっち」かなと。
動画を見て消費者が不快になることは間違いありません。
ですが、ニュースになっていない部分もたくさんあるのではないでしょうか?
劣悪な労働環境、例えば低賃金重労働でストレスがMaxになっているとか。
最初のほうにも書きましたが、「表に出ただけで昔からあったこと」だと思うので、動画を投稿した本人だけでなく、企業もどうしていくかちゃんと考えてもらいたいと私は思っています。
まあ、たとえ企業に落ち度がなくてもやらかす奴はやらかすと思うんですけど、それがダメだと教えてこなかった大人にも責任がないとはいえないと思うんですよね。
大人たちはSNSの恐さを知らないから教えようがないのかもしれないけども。
未来ある若者の目を完膚なきまでにつぶしてもあまりよろしくないと思うので、罰するだけでなくやり直すチャンスを与えてもいいのでは、と思いました。
参考文献
心理学を勉強していると、いろいろな話題がなぜ起きているのかといったことがわかって非常に興味深い分野だなと改めて思います。
最近読んだ影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのかは、どうやって人は動かされているのか、それに騙されないようにするにはどうすればいいか、などが書かれていて勉強になりました。
この記事も「影響力の武器」やその他参考文献を自分でかみ砕いて活用し、書いています。
面白いので興味のある人は読んでみてはいかがでしょうか?
ではでは。